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電源データを活用した逆潮流の分析

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逆潮流という物理作用は、電気自動車を始めとするさまざまな用途でのエネルギー回収に非常に適しています。しかし、産業用途では、電源装置に不具合が発生した場合、コストのかかるダウンタイムの原因となることもあります。このブログ記事では、電源データによって逆潮流の発生を特定し、有効な対策を講じる方法をご紹介します。

電源において、逆潮流への抵抗が重要な理由

ドラムモーターなどの回転機械部品は、制動時に電源出力に電圧をフィードバックする運動エネルギーを蓄積します。出力側では、電源は、出力キャパシタでこのエネルギーの一定量を吸収しますが、同時に、出力電圧もこれに応じて上昇します

逆潮流発生時に起こる抵抗は、電源の出力で許容される最大電圧を示し、この数値を超えると、電源がオフになり、システムや機器類がシャットダウンします。

しかし、プラントのオペレーターでさえ、実際の運転環境下での逆潮流の数値を把握していないことが多く、逆潮流の発生頻度最大値などの具体的データに乏しいのが現状です。.

詳細な実負荷プロファイルは、計画段階で適切な電源を選択する際や、運転段階で不具合を分析する際に役立ちます。では、どうすれば分析に必要な情報を入手できるのでしょうか?

データソースとしての電源

電源メーカーのプルスが開発した分散型電源 FIEPOSファミリー  には、パフォーマンス分析機能が搭載されており、センサーのように機能して、使用中のさまざまなパラメータ(電圧、電流、温度など)を記録し、こうした情報をリアルタイムで提供することができます。

プルスの分散型フィールド電源FIEPOSには、このようなデータを送受信するためのIO-Linkインターフェイスが搭載されており、信頼性の高いデータソースとして、既存の状態監視システムを補完する機能を備えています。上述のデータが付加価値をもたらした実例をご紹介します。

電源によるパフォーマンス分析

あるイントラロジスティクスソリューションメーカーが、24V電源から分散型ソリューションへの移行を検討していました。当時は使用していた電源によってシステムシャットダウンが頻繁に発生していましたが、原因を突き止めることはできていませんでした。

プルスは、同社に複数のソリューションを提案し、FPT300電源(三相360W)のサンプルを提供し、プルスのアプリケーションスペシャリストの支援により、同社は電源起動後の初期データを分析し、

3種類のケースを検証しました。:

  1. ケース1:駆動モーターのみの並列運転
  2. ケース2:駆動モーターとブレーキモーターの並列運転
  3. ケース3:緊急停止時など深刻な事態によって、すべてのモーターが同時に急停止

上記の3つのケースにおいて、特定期間に出力される電圧と電流を測定・分析しました。

通常運転時の負荷プロファイルの分析

図1:通常運転時の負荷プロファイル

ケース1の駆動モーターの並列運転では、特に問題は発生しませんでしたが(図1参照)、通常運転時のプラントの最初の負荷プロファイルを検証し、電源の適切なサイズを特定することができました。

駆動モーターとブレーキモーターの並列運転時の負荷プロファイルの分析

図2:駆動モーターとブレーキモーターの並列運転時の負荷プロファイル

ケース2の駆動モーターとブレーキモーターの並列運転では、ほとんどすべての場合、逆潮流によって生じるブレーキモーターからのエネルギーは、駆動モーターに直接吸収されました。1度だけ、出力電圧がわずかに上昇し、負の電流スパイクが短時間発生しましたが、電源に問題は生じませんでした(図2の赤い部分を参照)。

緊急停止時の負荷プロファイルの分析

図3:緊急停止時の負荷プロファイル

ケース3では、すべてのドラムモーターが同時に停止し、電流が急低下し、電圧が31Vまで上昇するという深刻な事態が発生しました(図3参照)。

データの分析結果から、これが当初から指摘されていたシステムシャットダウンの原因であることが明らかになりました。これまで使用していた電源の出力キャパシタの容量が不十分であったために、電源が頻繁にシャットダウンしていたのです。

FIEPOS電源は、非常に高い電気的堅牢性を備えています。FPT300の場合、逆潮流時の最大許容出力電圧は、35V/4.3J、出力容量は18,000µFです。

FPT300を使用した場合、電圧が31Vまで上昇しても、電源に問題は発生せず、電圧が再び低下すると、電源は自動的に通常モードで作動続けることができました。ただし、多くのメーカーのモーターコントロールセンターは、電圧が32V近くになると自己保護のためにシャットダウンする仕組みになっていることに留意する必要があります。

購入決定前に、プルスの技術スペシャリストによる分析・精査を実施したことで、お客様は、信頼性と将来性の高い最適なソリューションを選択できたのです。

イントラロジスティクスのための分散型ソリューション

保護等級IP20準拠の製品や、キャビネット内に設置しないIP54/IP65/IP67準拠の分散型電源の製品のポートフォリオも充実しています。プラント計画をより柔軟に立てられ、システム内のスペースを有効活用できるため、システム開発者は時間やコストを節約できます。

FIEPOS製品ファミリー  は、単相および三相、360Wまたは600Wのフィールド電源をベースとしています。また、システムの大半が、5秒間200%で機能するため、高電流負荷の始動に最適で、高価な大型電源装置も不要です。今後数カ月の間に、FIEPOSのポートフォリオに、新しいクラスの製品が加わる予定です。

FIEPOSは、M12-L/-T/-A、7/8”、Han Qシリーズなど 、多様なコネクタに対応しています。FIEPOS eFusedシリーズは、最大4系統までの電流制御出力を備えています。このシステムによって、現場で最適な配電、保護、監視が可能です。

まとめ

イントラロジスティクスシステムにおける エンド・ツー・エンドの分散化 には、信頼性と汎用性の高い電源が不可欠です。

しかし、これを実現するためには、電源メーカーが適切なソリューションを提供できるように、イントラロジスティクスの現場の実践的データをできる限り多く収集しなければなりません。実際の用途でのデータの収集・検証が重要です。

プルスは、電源データによるパフォーマンス分析のイノベーターとして、主導的な役割を果たしています。アプリケーションエンジニアのグローバルチームが、お客様やユーザーの技術的課題を解決するための助言を提供します。チームメンバーは、各種用途の複雑な状況に関する質問にも適切に答え、最適なソリューションを提供いたします。

このようなデータから得た知見は、今後の分散型電源ソリューションの開発にも不可欠です。